相続後のお金の話 | 大阪で相続の相談なら相続カフェ

相続後のお金の話

相続時精算課税制度のメリットデメリット

相続を行うにあたって気がかりなものの一つが相続税になります。生前贈与しておけば相続税を下げられると思っている方もいるでしょうが、骨格としては相続税逃れが横行しないよう、生前贈与による贈与税のほうが不利になるような制度になっています。

 

一方で特例的には生前贈与を促す狙いのものもあり、その一つが相続時精算課税制度となります。

 

相続時精算課税制度の概要

|生前贈与を促す制度

制度の趣旨をごく簡単に言うと、相続すべき財産に対して、生前贈与を促すものです。この制度を使って生前贈与した財産は、相続税の申告の際に相続財産と同等の扱いがされます。

|2,500万円の贈与税非課税枠と計算例

通常は、年間110万円を超える贈与をすると、超えた分に対して贈与税がかかります。相続時精算課税制度を活用することにより、2,500万円までの贈与について非課税となります。

 

これは年間でなく、特定の贈与者から生涯を通じての枠となります。例えば父親・母親・子がいる世帯で、父親からの贈与財産には相続時精算課税を適用するとします。そして3年にわたり、父母両方から下記のような金額で贈与が行われるとします。

 

父親から 母親から
1年目 1,000万円 150万円
2年目 1,000万円 100万円
3年目 1,000万円 150万円

 

贈与税の計算は、下記の通りになります。

 

1年目:(150万円-110万円)×10% = 40万円

2年目:0円

3年目:(3,000万円-2,500万円)×20% + (150万円-110万円)×10%  = 100万円 + 40万円 = 140万円

                               

相続時精算課税制度の特定贈与者にあたる父親からの贈与財産に関しては、2,500万円を超える3年目から20%の税率で課税されます。2年目までは、2,500万円の枠内に収まるので課税されません。

 

相続時精算課税制度の特定贈与者にあたらない母親からの贈与財産に関しては、110万円を控除して贈与税を計算します。2年目は110万円を下回っているので課税されませんが、1年目は税率10%で課税され(控除後の財産価額に応じて税率は変わります)、3年目は父親の分と合算して贈与税を支払います。

 

|制度適用の手続き

手続きを適用する場合の最初の贈与税申告(申告期間は贈与した年の翌年2月1日~3月15日)で届出を税務署に出すことになります。上記の事例では、特定贈与者として父親の氏名を記入します。

 

また特定贈与者の要件として、(贈与を行う年の元日時点で)60歳以上の父母・祖父母という要件があります。本人には20歳以上という要件があります。

 

また相続時精算課税の特定贈与者から贈与財産があった場合は、非課税の枠内にあっても必ず申告することになります。例えば上記の計算例では、2年目の贈与税は0円ですが贈与税申告書は提出してください。

 

|相続税申告を行う際には

相続時精算課税というくらいですから、特定贈与者が亡くなり相続税申告を行う場合には、制度を適用して申告した贈与財産を考慮することになります。

 

例えば上記の計算例に関して、その後父親からは何の贈与も受けずに父親が死亡し、相続財産の総額が5,000万円、債務額は800万円であったとします。そして法定相続分どおり、母親と子が1/2ずつ相続したとします。

 

相続時精算課税制度を利用していなければ、この場合の相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×2=4,200万円ですので、課税遺産総額は5,000万円-800万円-4,200万円=0円となり、相続税はかかりません。

 

しかし3,000万円の贈与財産に関して、相続時精算課税を適用していますので、課税遺産総額は3,000万円なのです。

 

母親の課税価格は(5,000万円-800万円)÷2=2,100万円、子はここに3,000万円をプラスして5,100万円となりますので、比率は母親が0.29、子は0.71となります。

 

母親の相続税額は、3,000万円×0.29×10% =87万円 になります。

子の相続税額は、3,000万円×0.71×15% -50万円-100万円=169万5,000円 になります。

 

子に関しては、3年目の贈与の際に(父親からの贈与財産に係る)贈与税100万円分を控除しています。

 

複雑な計算ですが、贈与財産を相続財産に足して、20%の税率で払った贈与税額を差し引くという意味で「相続時精算課税」なのです。

 

相続時精算課税制度のメリット

|2,500万円まで一括贈与しても贈与税がかからない

上記の計算例は、3年にわたって贈与している例ですが、1年間で2,500万円の贈与を行ったとしても贈与税がかかりません。相続時精算課税を適用しない通常の暦年課税の場合は、(2,500万円-110万円)× 45% - 265万円= 810万5,000円と高額の贈与税がかかります。

 

1年でも何年かかけての贈与でも活用できますが、一括で贈与した場合のほうが通常の暦年課税と大きな差が生まれます。

 

|評価額が贈与時<相続時の場合は有利に

相続時精算課税制度を利用した際に相続財産に加算する贈与財産は、贈与時の価額です。贈与財産が不動産や上場株式である場合、相続時と贈与時は同じ額であるとは限りません。

 

近年のようにこうした財産が順調に値上がりしていく場合は、値上がりする前に生前贈与したほうが税金面でも有利になります。

 

相続時精算課税制度のデメリット

|土地贈与の場合、小規模宅地の特例が使えない

相続時精算課税を利用するにあたって、一番気をつけないといけないのがこの点です。

 

小規模宅地の特例とは、土地の相続税評価額を最大8割引き下げるための特例です。この特例を受けるためには、相続人に条件があります。

 

被相続人と同居している場合は、被相続人が死亡してその住み家を相続し、相続税の申告期限までずっと住み続けていることが条件です。

 

同居していない場合は、相続開始前3年以内に持家が無く(賃貸物件で暮らしている)、被相続人の住み家を相続して相続税の申告期限までずっと所有し続けていることが条件です。同居している場合と違って相続した不動産に住むことまでは要件となっていませんが、被相続人に配偶者がいたり、同居している法定相続人が他にいたりすると対象外になります。

 

例えば相続時精算課税の概要の事例で、父名義の持家があり、子は別居して賃貸物件で暮らしている場合を考えます。父が先に亡くなり子が父名義の持家を相続したとしても、母がまだ存命であればこの特例は活用できません。

 

また母が先に亡くなってから父が亡くなり、子が持家を相続した場合は、この特例が活用できます。ただ子には弟がいて、弟が実家に暮らしているようなケースはこの特例は活用できません。

 

どれだけ評価額が下がるかですが、上記の要件を満たす場合の相続土地は特定居住用宅地等といい、どのような広さであっても特例は活用できます。ただし330㎡までの部分について8割の評価減となっています。

 

もし父から相続した土地が330㎡以内で、原則的な相続税評価額が4,000万円であった場合、小規模宅地等の特例を活用すると800万円にまで下がります。

 

なお不動産が居住用でなく事務所として使っていたり、アパートのような貸付物件になっていたりする場合は、要件や評価額の下がり方は異なります。

 

もし相続を考えた場合に小規模宅地等の特例を活用できる余地があれば、不動産については相続時精算課税を使った贈与はしないほうがいいケースは多いと言えます。

 

|課税を相続時に繰り延べる制度であり、かつ物納の対象外

概要部分で相続税申告まで触れていますが、そこまで見据えてこの制度を活用することが重要です。贈与時には贈与税を支払わなくて良いかもしれませんが、その後相続となった場合に相続税を払うこともありうるからです。

 

相続税がかからないほどの財産しかない場合は、贈与税の節税になる場合もなります。ただどのケースでも節税になってお得だと決めつけず、あくまでも課税を先送りしていると考えてください。

 

また相続税がかかってくるケースで手元の資金で支払えない場合、一定の要件を満たした場合に物納が認められます。相続した物件などをもって、相続税の現金支払いに替えるというものです。

 

相続時精算課税対象の贈与財産は、相続税申告における相続財産に加算されますが、物納対象の財産としては認められていません。

 

|不動産取得税・登録免許税の税率が高い

これも小規模宅地等の特例と同様不動産の話になりますが、相続・贈与いずれにしても名義変更になるため、相続税・贈与税以外にも不動産取得税・登録免許税がかかってきます。

 

これらの税金は、相続と贈与では税率が異なります。まず不動産取得税は、相続においてはかかりませんが、贈与では課税されます。

 

登録免許税の税率も、相続では0.4%なのに対し、贈与では2.0%と相続時精算課税を活用したほうが損することになります。

詳細を見る

これだけは知っておきたい!!相続がおこった時のマメ知識

はじめに相続とは、人間が亡くなった瞬間より発生する「民法によって定められたルール」になります。亡くなった方と血縁関係にある方は「相続人」として相続開始の瞬間から、被相続人(亡くなった方)の財産に属した一切の権利義務を承継するという定めになっております。相続なんて自分には関係ないと思っている方も、財産がたくさんあり相続について不安を感じたことがある方も、知っておくことで得する豆知識をご紹介させていただきます。

 

相続権のある人

・相続権のある人は誰?

相続権について法律では「相続人」と「相続分」に対して一定のルールを設けております。「相続人」とは「相続する権利がある人」のことであり、「相続分」とは「相続人が遺産を相続できる法律上の割合」のことを言います。相続人については、大きく分けて2つに分類されます。

 

1、遺言で指定された人

遺言書によって相続人を指定されている場合は、相続権が発生します。この場合「家族」や「身内」に限定されることはなく、遺言者が指定することができます。

 

2、法定相続人

配偶者+次のいづれか

①子供(先に死亡している場合は、その子供の孫)

②親(①に該当しない場合)

③兄弟姉妹(②において両親も先に死亡している場合)

※兄弟姉妹が先に死亡している場合は甥姪

 

このように、亡くなった方よりも先に死亡している場合の次の相続人のことを「代襲相続人」と言います。

法定相続人は原則として、相続分については相続人間において「話し合って決める」ことが優先されます。話し合いでも決まらない場合においては「法定相続分」として、法律の定める割合で遺産を分配させることができます。(法定相続分での分配は後に持分などでトラブルになるケースが多いので注意が必要です。)

 

・法定相続分

(配偶者+子供)

配偶者は常に相続の対象となり、法定相続分割合では2分の1の割合を取得することになります。子供がいる場合は残りの(2分の1)x(子供の人数)=相続分となります。

(配偶者+両親)

配偶者の法定相続分割合は3分の2となり、両親は残る3分の1を双方で分割するため(6分の1)x両親2人=法定相続分となります。

(配偶者+兄弟姉妹)

亡くなった方の両親が先に亡くなっている場合は、配偶者の法定相続分割合は4分の3となり、残る(4分の1)x(兄弟姉妹の人数)=法定相続分となります。

 

相続財産の範囲

・財産になるものならないもの

「相続」では、プラスもマイナスも全部「相続財産」として引継ぐことになります。財産という言葉から連想するものは、預貯金や証券などの金銭価値や土地建物の不動産など、「プラスのイメージ」が強いですが、相続財産にあってはこればかりではありません。

 

(プラスの財産)

不動産(土地・建物)、現金、預貯金、有価証券、宝石、書画骨董など

(マイナスの財産)

借金、保証、未払いの最後の入院費など

 

遺産とは、亡くなった方が残した財産(権利と義務)のことを言います。そのため、必ずしも所有する「形ある金銭価値」(権利)ばかりではなく、未払金・滞納金や支払い義務のある請求書を始め、借金などの債務に対しては「支払わなければならない対価価値」(義務)が残っている場合もあり、これらを全て合わせた上で遺産の相続及び分割を検討する必要があります。

つまり「金目のものは欲しいけど借金はいらない」という限定はできないということになります。

 

借金相続

・知らなかったは通用しない!?

相続財産にマイナス財産つまり「借金」があったので放置しておいた。この場合「借金は相続する」ことになります。放っておくことで「相続を放棄」と勘違いしてしまいますが、法律では「相続開始を知った時から3ヶ月以内に相続放棄の意思を申し出ない場合は相続するものとしてみなされてしまいます。相続放棄については、正式に「家庭裁判所」にたいいて「相続放棄」の手続きを行うことで初めて受理され、無事にじゅりがかんりょすることで「初めから相続人でなかった」ものとみなされます。このように法律の世界では「知らなかった」というのは認められず、法律というルールである以上は「O」か「X」の2択になってしまいます。

免許を持っていない人が車を運転して、赤信号を無視したとします。警察官が現行犯で取り締まりを行い、「免許を持っていないので知らなかった」「車の運転に免許が必要とは知らなかった」と証言しても、法律は「知らなかった」という行為に対しては「同情」してくれないことを覚えておきましょう。

 

相続税の心配

・相続税がよくわかない〜

相続税とは、亡くなられた方から相続などによって個人が財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金になります。相続税の申告については、「亡くなられた日の翌日から10ヶ月以内」に、亡くなられた方の最後の住所地を管轄する税務署に相続税の申告書を提出しなければなりません。必ずしも全員が該当するとも限らないため、基礎控除を参考に税理士の相談を利用しましょう。※税務に関する相談対応については「税理士法」において、税理士資格所有者のみが許されている行為になります。

 

・遺産にかかる基礎控除

相続税には基礎控除と呼ばれる下記のような「非課税枠」が設けられております。

3000万円+(600万円x法定相続人の数)※平成27年1月1日の税制改正

 

平成27年以前は基礎控除の枠が大きく5000万円以上の方が対象であったため、大幅な基礎控除額の減少によって納税義務者が増えたことは事実です。不動産や自社株などを所有している場合は「評価額」を知っておくことで、対策や相談を優位に行うことができます。

近年では税金対策という言葉も増えてきており、様々な形へ財産を有効活用することで、次世代へ最も適切な形で残すこともできるようになりました。

 

相続の手続きとは

・どんな書類が必要になるの?

相続の手続きには、どこから始めるにもまずは「相続手続き書類」が必要になり、これを揃えるのが結構大変です。具体的には次の書類が必要になります。

①遺言書 または相続人全員の署名実印押印のある遺産分割協議書

②戸籍一式(亡くなられた方の出生から死亡まで、相続人との関係がわかる戸籍一式)

③相続人全員の印鑑証明書(遺言書の場合は不要)

④相続する人の住民票   など

※行政・金融機関などによっては、規定の用紙やその他にも情報開示を求められる場合もあります。

 

一般的な手続きといえば、まずは「不動産の名義変更」があり、「金融機関の解約」「保険の解約及び保険金受取」などが眼前に立ちはだかります。これらの手続きすべてにおいて「相続手続き書類」は都度必要となり、必ず原本の提示を求められます。手続きによっては、止む得ず原本を郵送にて送る場合など、必ず返送してもらうことと、手続きに大変時間がかかることを覚えておきましょう。その書類がない間、他の手続きは一切前に進まないことになります。遺言書がある場合には省略できる書類もありますが、内容によりけりということもあり専門家に相談をする必要があります。特に手書きの遺言が発見された場合には、そのままでは効力を持たず「有効にする」作業を家庭裁判所に対しておこなう必要があります。家庭裁判所に提出する前に、遺言が有効なものであるかどうかを判断してもらうことで、無駄な費用は省けます。各種証明書類などについても難しい場合は、司法書士などの専門家に一度相談をしてみましょう。

詳細を見る

【遺産相続】相続財産評価、現預金以外の評価について

相続で発生する相続財産はその評価について民事上と相続税法上で扱いが異なります。

 

遺族の間で相続財産を分ける遺産分けの場面では、各財産をどのように評価するかは遺族の間で決めれば良いことです。

 

公平な分配になるように、不動産などについては不動産業者に査定をお願いしてその価値を判定し、各人の取り分として分けることも可能です。

 

このようにして各相続財産を評価してまとめ、財産目録などとして作成します。

 

しかし相続事案では遺族間、相続人間での財産の扱いとは別に、相続税という税金の問題も出てきます。

 

税金は対国の関係ですので民事上の扱いとは全く異なる次元で処理しなければなりません。

 

以下では相続税の処理のための相続財産の評価について見ていきます。

 

 

■財産の評価法は国によって決められている

 

冒頭で述べたように、相続税の処理は民事上の扱いとは全く異なるので処理の方法が複雑になり、面倒さが増してしまいます。

 

相続財産の評価法が国によってあらかじめ決められており、これに則って相続財産を評価しなければならないのです。

 

例えば不動産などを民間の不動産業者に価値判断を委ねてしまうと、相続税額を不当に下げるためにわざと低評価をして、見返りにマージンを受け取るなどの行為が横行する恐れがあります。

 

こういった不正行為や、評価者による評価のずれなど不公平が発生することを防ぐためには国が一律の評価法を定め、全国どこでも同じ評価法によって相続財産を評価できるようにしなければなりません。

 

国は「財産評価基本通達」というルールを作り、相続財産の評価法について規定しています。

 

現金や預金といった金銭はそのままの額で評価するので問題は無いのですが、それ以外の不動産などは上記のルールに則って評価しなければなりません。

 

我が国の相続は遺産の中に占める不動産の割合が非常に大きいという特徴があるので、この評価について知っておく必要があります。

 

そして年数経過によって価値を大きく下げる家屋と違って、土地は基本的に価値が低下しないのでその価額が大きくなり、相続税の税負担に大きく影響してきます。

 

次の項で土地の評価についての基本から見ていきましょう。

 

 

■土地の評価法の基本

 

土地の評価法は大きく3つの種類があります。

 

主に宅地を評価するものとして路線価方式、郊外の土地について評価するための倍率方式、宅地以外を評価するための宅地比準方式です。

 

有名なのが路線価ですが、国が発表する路線価という土地評価の指標に土地の面積をかけて基本価を算定するものです。

 

路線価は国税庁が毎年7月中旬ころに発表しますが、評価時点は毎年1月1日時点の評価となります。

 

路線価は全国の税務署で閲覧することができますし、大きい図書館などにも設置されていることがあります。

 

また最近はインターネット上でも閲覧が可能になっています。

 

路線価は土地の評価についての基本的な指標となりますが、単純にこれに面積をかけて評価額が算出されるような簡単なものではありません。

 

様々な調整や補正が入り、複雑な計算を経なければならないため素人には難しく、場合によっては税理士やFPなどの専門家を利用することも必要になってきます。

 

それでは次の項から土地の評価手順について見ていきます。

 

 

■評価する単位を調べる

 

まず評価されるべき土地について、地目や利用の単位となっている区画を確認します。

 

土地の評価は原則として登記簿上の地目別に評価しますが、現況と登記上の地目が異なる場合は現況判断が優先されます。

 

また宅地は自宅用地や駐車場など、異なる目的でその土地が利用されますが、その利用の単位となっている区画ごとに評価しなければなりません。

 

登記簿上の一筆の土地ごとではなく、例えば自宅用地と駐車場用地の評価は別にしなければならないということです。

 

そこに路線価をかけていくのですが、路線価の読み取りが難しいので基本を押さえていきましょう。

 

 

■路線価の見かた

 

路線価は1㎡あたりの価額が千円単位の数字で表されています。

 

その数字が適用になる範囲は矢印で指定されています。

 

路線価図はベースに住所地図が用いられていますので、ご自分の所有する土地の場所は比較的容易に見つけることができます。

 

実際には上記の数字は横にアルファベットが付いていたり、丸や四角、三角などの記号に囲まれていることがあります。

 

丸や四角などの記号は地区区分を表しており、ビル街区や商業地区などの区分を表します。

 

この記号がないエリアは普通住宅地区を表します。

 

地区区分は後述する各種調整、補正の際に影響します。

 

アルファベットは借地権割合を表し、A~G(90%~30%)まであります。

 

借地権割合とはその土地の使用の自由度が落ちることになる貸地などとして使用している場合に評価に調整を加えるためのものです。

 

例えば他人に貸している土地だったり、アパートを立てて他人に利用させているような土地は100%自分が自由に利用できない分その評価を下げることができます。

 

評価を下げるというと不利になると勘違いする方がいますが、誰かに売るための評価ではなく相続税の算出のための評価ですから、評価を下げることができるということは税負担を減らすことができるということですので有利に働きます。

 

 

■自用地の評価法

 

自用地の評価については路線価に各種の調整を加え、これに地積をかけることで評価額が算出されます。

 

この「各種の調整」が非常に複雑で難しいため敬遠されますが以下で概要を見てみます。

 

・奥行価格補正率

土地はその面する道路からどのくらいの奥行きがあるかによって利用のしやすさが変わってきます。

 

奥行きが丁度よい土地の場合は補正が入りませんが、それより奥行きがあっても、逆になさすぎても利用のしやすさが落ちてしまうと考えて評価が下がるようにするのがこの補正です。

 

補正の度合いは上述した地区区分によっても異なってきます。

 

・側方路線影響加算率

正面道路の側方にも道路があり、二つの道路に面している土地は基本的に道路に面している範囲が大きいほどに評価を上げていきますが、道路が交わる角地の使いやすさについての評価もしなければなりません。

 

その為に入るのがこの補正で、使い勝手が悪くなる準角地(道路が交錯せず通り抜けできない角地)は評価が下がります。

 

・二方路線影響加算率

上記のような側方路線ではなく、土地の正面と裏面に道路がある場合の補正です。

 

・その他

他にも不整形な土地、がけ地にある土地、間口が狭い土地等についても対応する補正が入ります。

 

自用地については路線価にこのような補正作業を入れた後で地積をかけて評価額を算出します。

 

 

■貸宅地や借地権の評価

 

地主さんが誰かに貸している土地は借地権が設定されますが、この場合地主ではありながらもその使用は自由にならず強い制限が課されます。

 

その分評価を下げる必要がありますが、そのための方法が上述した借地権割合というものです。

 

地主側からみたその土地の評価は「自用地評価額×(1-借地権割合)」として評価されます。

 

反対に誰かから土地を借りて建物を建てているような場合は、土地に所有権こそなくても借地権という権利を有しています。

 

この権利自体も取引の対象になる価値を持っているのでその分を評価しなければなりません。

 

借地人側から見たその土地の評価額は「自用地評価額×借地権割合」として評価されます。

 

ただし、土地の使用のために金銭の授受が発生しない使用貸借関係の場合は地主の権利が強くなるので、地主側から見た評価は自用地評価額と同じくなり、借地人側からみた評価はゼロ評価となります。

 

使用貸借ではその賃借権はかなり弱く、無条件で相続人に引き継ぐこともできないので評価されないのです。

 

詳細を見る

今からできる相続対策!生前贈与の活用法

近頃、何かと話題の「相続対策」。相続税の非課税枠である基礎控除額が縮小され、課税対象となる方が増える、とされているためですね。

 

特別な富裕層にだけ関係のあるものではなく、都心にマイホームを持っているような家庭であれば、充分、相続税が発生する可能性はあります。

 

しかし、「じゃあ相続対策として、何をしておけばいいのか」というのは中々分かりづらいもの。今回は相続対策の代表とも言える、生前贈与の活用法についてポイントを解説します。

 

生前贈与とは。贈与税とは。相続税との関連は。考え方を理解しましょう。

 

生前贈与とは、読んで字のごとく、「生きているうちに財産を親から子などへあげること」です。

 

行為自体は簡単なものですが、自由に何の制約も無く、あげる、もらう、ができるのであれば、こんなにも相続対策などが話題になることはありません。

 

財産をもらった人に対して、「贈与税」という税金が課されます。「親から子へ財産を渡して、なぜ税金がかかるんだ」という感覚を持たれるのも分かります。

 

しかし、この制度を設けておかなければ、「相続税」というルールが成り立ちません。

 

生きているうちにどんどん財産を渡して、亡くなる際には非課税枠以下の財産だけ、としてしまうためですね。そのため、国は贈与という行為にも税金を課すことにより、相続税の課税を補完しているのです。

 

年間110万円までの贈与なら贈与税はかからない

 

一年間の間(その年の1月~12月の間)に贈与を受けた金額が110万円以内であるならば、贈与税はかかりません。

 

確定申告も不要です。暦年贈与の非課税枠とか、基礎控除枠、年110万の非課税枠、という呼称を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

 

ただし、この「年110万円」というのは、「贈与を受ける人一人当たり」の非課税枠ですので注意が必要です。つまり、父と母、それぞれから110万円ずつ子に贈与する。

 

これはダメです。贈与を受ける子は、110万円+110万円=220万円の贈与を受けているためですね。

 

 

贈与を成立させるには双方の認識が必要

 

「年110万円以内の贈与なら、贈与税はかからないんだな。よし、それじゃあ子に孫に、ひ孫に、みんなに毎年110万円ずつ渡していこう!」

はい、これもダメです。贈与という行為は、お互いに「あげました、もらいました」の認識があり、もらった側が、それを自ら管理し、自由に使えてこそ成立するものだからです。

 

小さい子供が、110万円を貰ったという認識があるでしょうか。まず、小さい子供に直接渡したりしませんよね。

 

子供名義の預金口座を作って、そこに入れておく、というのが通常かと思います。そして当然、子供にそれを自由に使わせたりはしないはずです。

 

「いや、直接渡したよ」「自由に使わせたよ」とかいう問題ではなく、未成年に対して大金を贈与する、という時点で、その行為そのものが調査の際に指摘される可能性があります。「毎年の常識的な額のお年玉を、子供名義の預金で積み立てていた」というのとは、訳が違います。

では、成人した子や孫に、年110万円ずつ渡していこう、としたときにも、注意が必要です。

 

上記の通り、単純に子や孫の預金口座を作って、そこにお金を移しているだけでは、「名義預金」に他ならず、親の死亡時には、相続財産として扱われ、相続税の課税対象となりかねません。

 

預金口座は、子や孫が自ら印鑑や通帳を管理し、いつでも引き出しができる状態にさせておくとともに、贈与契約書を毎年作成し、贈与が成立している証拠を残しておきましょう。

 

教育資金贈与の一括贈与特例を活用しよう

 

孫の入学祝いや、入学金そのものを祖父母が出す、ということは一般的なことであり、それが常識的な範囲である限り、贈与税が課税されることはありません。

 

「じゃあ別に特例じゃないじゃないか」と、この制度の概要を聞いて最初に思いがちなのですが、「一括で」教育資金の贈与ができる、という点が大きなメリットであり、特例なのです。

 

この制度は、祖父母から孫へ、というように直系尊属からの贈与で、教育に充てるための資金であれば、1,500万円までであれば贈与税が非課税となる制度です。

 

つまり、現在5歳の孫に、これから先、中学、高校、大学入学の資金として、1,500万円以内であれば「今、一括で」しかも非課税で渡すことができるということですね。これは大きなメリットです。

 

 

具体例を見てみましょう。現在1億円の財産を持っている祖父が、2人の孫に、これから先の教育資金として、1,500万円ずつ、計3,000万円を渡すとします。

 

その状態で相続を迎えると、相続財産は1億円-3,000万円=7,000万円です。この制度を利用しなかった場合には、相続財産は1億円のままですので、相続税の課税対象である相続財産が、3,000万円も違ってきますね。

 

それに伴い税金の額も大きく変わってくるので、この制度のメリットをお分かり頂けるかと思います。

 

 

この制度を利用する上で気をつけるべきポイントは、まず「教育に関する資金であること」。

 

教育に関する資金とは、どこまでを指すのでしょうか。これについては、①学校等へ直接支払われる入学金や授業料、②学校等以外の教育に関する資金で大別されており、①は小学校~大学、②は学習塾や、スポーツの習い事というイメージで捉えて頂ければ結構です。

 

そして②の用途での教育資金は、500万円までと上限が決まっています。

 

 

無尽蔵に非課税目的で習い事をさせることに歯止めを掛けているわけですが、500万円もあれば、一般的には成人するまでに充分な習い事ができますよね。

 

 

そしてもう一つのポイントは、「その贈与を受ける者が、30歳になるまでに使い切ること」です。

 

30歳を超えてから資格を取り始めることなどもあるでしょうが、その資金に充てることはできません。30歳の時点で使い切っていない場合には、その残額に対して贈与税が課されてしまいますので注意が必要です。

 

贈与税の配偶者控除 ~通称:おしどり贈与~ を活用しよう

 

贈与税の配偶者控除(以下、おしどり贈与)とは、夫婦間でのマイホームの贈与、又はマイホームの購入資金を贈与した場合に、2,000万円までは贈与税が非課税となる制度です。

 

長年連れ添った妻に対し、自宅の持分を分けることについて、妻の内助の功を考慮した制度ですが、妻から夫への贈与も可能です。適用には以下の要件を全て満たす必要があります。

(適用要件)

  • 入籍してから20年以上経過していること

内縁の妻等、正式な婚姻関係でない、いわゆる事実婚の場合には認められません。

  • 居住用不動産そのものか、その取得のための金銭であること

マイホームに関係のない財産はダメです。

  • 贈与を受けた翌年3月15日までに住み、その後も住み続けること

もともと住んでいる自宅の贈与であれば関係ないですね。

  • 過去にこの制度を利用したことがないこと

一生に一度の適用です。

  • 贈与税の確定申告を行うこと
    贈与税が発生しなくても、特例を受けるためには確定申告が必要です。

実はこの「おしどり贈与」については、税制上のメリットはそこまで大きいとは言えない、と言われることがあります。

 

なぜならば、相続が発生した際に、配偶者に対しては1億6千万円までの財産は相続税が非課税であるためです。

 

つまり、「生前に配偶者に渡しても、渡さなくても、配偶者に対しては相続税がかからない」というケースが殆どかと思います。

 

そのため、「配偶者への感謝の意」を表すものとして、マイホームの名義を一部付け替える、共有名義にする、という意義の方が大きいのかもしれません。

結婚・子育て資金の一括贈与特例を活用しよう

 

上述の教育資金贈与と同様に、結婚・子育て資金についても、両親や祖父母が幾らか援助する、というのは一般的なことであるため、教育資金贈与と同様の特例があります。

 

こちらの制度は、1,000万円が限度(結婚資金については300万円が限度)で、贈与を受ける子や孫は、20歳以上50歳未満であること、という条件があります。

 

また、制度を利用する上では「結婚資金」「子育て資金」とは何を指すのか?ということを理解しておく必要があります。

 

 

「結婚資金」とは、「結婚式や披露宴で通常かかる費用」というイメージで概ねOKです。

 

会場費、衣装代、引き出物代などですね。婚約指輪代や結婚指輪代は対象外です。また新婚旅行代も対象外です。

 

「え~!指輪代や旅行代、親に援助してもらうつもりだったのに・・・」という方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。

 

お忘れではないですか?年110万円の非課税枠を・・・。この特例の対象外のものについても、年110万円の基礎控除枠で結果的にカバーされているケースが大半ですので、大きく超えていないかのみ確認しておきましょう。

 

「子育て資金」とは、「妊娠・出産に係る費用」「子の医療費」「幼稚園の入園費用」というイメージで概ねOKです。

 

ただし、妊娠の治療や出産を、本人の希望で遠隔地や海外で行いたい場合の渡航費など、一般的に必須とは捉えられないものに係る費用は対象外です。

 

 

相続対策としての生前贈与にも様々な制度がありますが、まず基本は年間110万円以内の基礎控除です。

 

こちらを確実に行いながら、各種の特例を併用していくと、より有効に生前贈与を進めることができます。

 

各種の特例には細かい適用要件が設けられており、実は要件を満たしておらず、多額の贈与税が掛かってしまうリスクもあるため、税理士等の専門家に相談の上、慎重に進められることをおすすめします。

詳細を見る

子なし家庭が注意すべき相続の注意点6点

近年、若い世代でもじわじわと子供がいない世帯が増えていますね。

 

自身の相続を考える世代の方々の中にも様々な理由で子供のいないご家庭もあります。

 

遺言講座や高齢者向けのファイナンシャルプランニングサービスでは夫婦二人と子どもが1人~2人程度のケースを想定して解説されることがほとんどですが、相続というものに視点を絞った場合、子どもがいる場合といない場合とでは対策の立て方が異なります。

 

今回は一つの悲しい実例を挙げながら、これを軸に子供のいないご家庭で相続対策を考える際の注意点を見ていきましょう。

 

 

■配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人になるケースは警戒度MAX!

 

我が国の法制度は相続に関しては民法上で基本的な決め事が設定されています。

 

どんなケースで誰にどれだけの財産が相続として承継されるのかといった基本事項が決められているわけです。

 

夫婦に子供がいない場合誰が相続人になるのかもこの中で決められていて、場合によっては何も対策をしないと長年連れ添った配偶者が住居を追われる可能性も出てきます。

 

ここで実際に起きた最悪の事例を一つご紹介しましょう。

 

旦那さんは奥さんと一緒に暮しておりましたが子どもがいませんでした。

 

彼も75歳と高齢で、親はすでに亡くなっています。

 

旦那さんは自分には子どもがいないので自分の死後は当然に奥さんが全て相続するものだと思い、特に対策などは行っていませんでした。

 

そして旦那さんの死後にはわずかな現預金と住居の一軒家だけが残されました。

 

奥さんはその家で慎ましく暮らしていくつもりだったのですが、ここに旦那さんのお姉さん(Aさんとします)が登場します。

 

奥さんとAさんは普段は付き合いはありません。

 

一般的に自分の配偶者とは当然仲が良くても、その兄弟姉妹と仲良くするというケースは稀と言って良いでしょうね。

 

奥さんもそうだったわけですが、ここでAさんが自分の遺産の取り分を主張してきました。

 

奥さんはビックリしましたが、喧嘩もしたくないので弁護士に相談して相応の取り分を分けて上げようと思いました。

 

しかし現預金がわずかなため家を売るしかありません。

 

家も古いため高額では売れず投げ売りになりました。

 

奥さんは次の住居を探しましたが高齢者には孤独死や自殺、未納のリスクがつきまとうためなかなか貸し手が見つかりません。

 

理由がどうであれ、人が死亡するとそのアパートなりマンションなりの価値が激減してしまうからです。

 

奥さんは何とか行政の助力も得てアパートを見つけることが出来ましたがほとほと疲れ果ててしまい、心労で体を壊してしまったそうです。

 

相続事案を扱う弁護士や税理士の間ではあたりまえのこととして語られる逸話です。

 

ですから配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人になることが想定される場合、必ず早めに遺言書の準備をしておくようにアドバイスします。

 

この事例では内容は至極シンプル、「全ての財産を妻の〇〇に相続させる」という趣旨の内容にすれば何も問題は起こらなかったのです。

 

なぜこのようなことが起こるのか、次の項で見ていきます。

 

 

■遺言書の内容は原則として民法の定めよりも優先する!

 

先ほどの事例は故人(被相続人)の兄弟姉妹も法律上の相続人として相続分の主張ができることを知らず、対策を怠っていたためです。

 

民法が定める相続人は次の通りです。

 

配偶者:生存していれば必ず相続人となる

第一順位:子

第二順位:被相続人の直系尊属(親や祖父母など)

第三順位:被相続人の兄弟姉妹

 

まず配偶者は生きていれば必ず相続人となります。

 

ですから上の実例でも奥さんは相続人になることができました。

 

しかし配偶者以外にも、優先優位が高い順に生存していれば相続人になれるのです。

 

実例では第一順位の子と第二順位の親もいません。

 

この場合親のさらに上の世代、祖父母が生きていれば相続人となりますが、高齢ですでに死去されていました。

 

残ったのが第三順位の兄弟姉妹、実例では姉のAさんです。

 

つまりこのケースでは奥さんと兄弟姉妹のAさんが相続人として正当な権利者となり、相続分を主張できるということになります。

 

この例では奥さんは全遺産の4分の3、Aさんは4分の1を主張できます。

 

現預金が多ければ現金で支払うこともできるでしょうが、日本の相続では不動産が多くを占めるのが普通で資金を準備できないことも多いのです。

 

そのため不動産の現金化が必要になるのですが、往々にして満足のいく売却額とはなりません。

 

もしこの時、旦那さんが「全ての財産を奥さんに相続させる」旨の遺言書を作っていたらどうでしょう。

 

実はこの場合、原則として民法の定めよりも遺言書の方が優先されるので、Aさんは取り分の主張をすることができず、奥さんは全ての財産を貰い受けることができます。

 

ですから住み慣れた自宅を追われることはなかったのです。

 

これは完全に旦那さんの理解不足、対策不足でした。

 

ちなみに、遺言書が無い場合の法定の取り分(法定相続分)はケースごとに以下のようになります。

 

もし自分が遺言書を準備しないで死亡したら、誰にどれだけの遺産が渡ることになるのか想像してみましょう。

 

・配偶者と子が相続人となるケース

配偶者と子が2分の1ずつ。子が複数の場合は均等に分ける

 

・配偶者と直系尊属が相続人となるケース

配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1

 

・配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続人となるケース

配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1

 

これを見ると、法律は血縁関係よりも実生活で伴侶となった配偶者を優遇し、次いで血縁が濃く精神的な繋がりが強い順に優先されているのが分かりますね。

 

ただしこの規定は遺言書が無い場合を想定して法が準備しているものですから、先ほどお話したように遺言書がある場合は原則として遺言の内容が優先になります。

 

従って例えば配偶者には何も残さず、姉のAさんに全ての財産を相続させる旨の記載があればそれが優先されることになります。

 

この遺言の内容を覆したい時は、相続人などの権利者が全員合意の元で話し合って自由な取り分を決めることができます。

 

冒頭の実例では、奥さんと姉のAさんが双方の合意の元で「奥さんだけが相続する」旨の取決めをすれば奥さんは救われていましたが、情や繋がりが薄い相手にそこまで譲歩することは期待できません。

 

従ってやはり遺言書の準備は非常に重要ということになるのです。

 

 

■遺留分にも注意!

 

上の項で、例えば姉のAさんに全財産を相続させる遺言にすることも可能とお話しました。

 

確かにそれは可能です。

 

しかし法律は遺言書でも覆すことができない、ある規定を設けています。

 

それは「遺留分」という権利です。

 

遺留分は一定の相続人に最低限の取り分の主張を認めたものです。

 

ですから例え遺言書で遺留分を無視した分配(『遺留分を侵害する』といいます)内容にしたとしても、遺留分を持つ権利者が主張すれば、最低限の遺留分の取り分を主張できることになります。

 

この点、遺留分はあくまで「権利」であって当事者が主張しなければ遺留分の権利は行使できません。

 

ですから遺言で誰かの遺留分が侵害されていても、その人が納得している場合や、何らかの見返りを受けることで遺留分を主張しなければ遺言書の内容が実現できます。

 

もしこの権利を主張する場合は「遺留分減殺請求」という形で主張することになります。

 

遺留分の権利者は配偶者と子及び直系尊属だけです。

 

そしてその遺留分は次の通りです。

 

・直系尊属だけが相続人となるケース

法定相続分の3分の1

 

・上記以外のケース

法定相続分の2分の1

 

上記の通り、兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。

 

ですから奥さんが住居から追い出された冒頭の実例で、旦那さんが「妻に全財産を承継させる」旨の遺言書を作っていたら、姉のAさんは遺留分の権利主張もできないので、奥さんは遺言書によって完全に守られることになります。

 

逆にもし、「姉のAに全財産を相続させる」旨の遺言内容だった場合には、奥さんは法定相続分の2分の1の遺留分の権利を主張して、姉のAさんに対して遺留分減殺請求をかけることによって遺留分を取り戻すことができます。

 

遺留分減殺請求は、その請求の証拠が残るように内容証明郵便などで行うようにします。

 

なお、この「遺留分」の規定ができた背景には、親族や情が通った配偶者などが相続の場面で理不尽な扱いを受けないようにという配慮があります。

 

例えば、家族を顧みず遊びにほうけて外で作った愛人などに全財産を譲るなどという事例も無いわけではありません。

 

実際似たような事例は今でも見聞きしますよね。

 

これでは家族が余りにもかわいそうだということで、法律によって一定の者に遺留分の権利を保証したのです。

 

 

■代襲相続にも気を配ること!

 

冒頭の実例で、もし姉のAさんも亡くなっていて、他に兄弟姉妹もいなければどうだったでしょうか。

 

第三順位の兄弟姉妹までいないことになるので、残った奥さんだけが相続人となって安泰でしょうか。

 

実はまだ安心できません。

 

民法には「代襲相続」という規定があり、一定の相続権利者が被相続人の死亡前にすでに死亡していた場合、その下の世代が上の世代の相続権を受け継ぐことができることになっています。

 

冒頭の実例では、姉のAさんが亡くなっていたとしても、Aさんに子があれば(仮にBとします)、BがAさんに代わって相続人(代襲相続人)となります。

 

ですから遺言書がなければやはり奥さんはBさんに法定相続分の取り分を持っていかれることになります(Bさんが任意で遺産を受け取らないことはできます)

 

また代襲相続人は被代襲者(死亡していなければ相続人となっていた者)の権利をそのまま引き継ぎます。

 

そのため遺留分の権利がある者を代襲した場合は代襲者も遺留分の権利を行使できますが、元々遺留分の無い被相続人の兄弟姉妹の代襲者は遺留分の権利はありません。

 

今回の事例では姉のAさんが亡くなっていてその子Bが代襲したとしても、「全財産を妻に相続させる」旨の遺言があれば遺留分の権利も行使できませんから奥さんは完全に守られ、安住の住処で暮らすことができます。

 

ちなみに、代襲相続が認められるのは子と兄弟姉妹のみで、直系尊属には認められません。

 

また子の代襲は下の世代が生きていれば永久に認められますが、兄弟姉妹の代襲は1世代のみ、つまり当該兄弟姉妹の子までしか認められません。

 

 

■妻以外の女性の子も相続人になる!

 

もう一つ盲点になることをお話します。

 

前述した通り、相続人になり得るのは配偶者の他に子、直系尊属、兄弟姉妹がいます。

 

そして子と兄弟姉妹には一定の代襲相続が認められることもお話しました。

 

このなかで「子」とは、何も直前まで婚姻関係にあった配偶者との子に限られません。

 

つまり前妻の子も第一順位の相続人と成り得るのです。

 

実際の事案で隠し子が発覚して大問題になるのはこのためです。

 

結婚を何度か繰り返している方が亡くなった場合、以前の配偶者との間に設けた子は立派な相続人です。

 

今回の事例では前妻は出てきませんでしたが、もし旦那さんに前妻がいて子(仮にCとします)がいる場合は姉のAさんではなく、優先順位の高い子であるCが奥さんと共に相続人となります。

 

この場合旦那さんの姉Aさんよりもさらに情関係がないCは容赦なく奥さんに自分の取り分を請求してくることでしょう。

 

ただしこの場合もやはり遺言書の準備があれば奥さんを守ることができるのは変わりありません。

 

とにもかくにも、遺言の準備が大切なことがお分かりいただけたでしょうか?

 

遺言はどんな場合でも準備するに越したことはありませんが、子どもがいないケースでは特にその重要性が増すのです。

 

 

■専門家に相談する場合の注意点

 

登場人物が増えるほどに関係は複雑になり、誰がどんな権利を持つことになるのか分かりにくくなります。

 

これから自分の人生の終わりの準備をしようと思っている方はぜひ万全の準備と対策を心がけたいものです。

 

自分だけで処理しようとすると、知識不足や情報不足から思わぬ落とし穴にはまってしまう危険があるので、専門家へ相談することも有効です。

 

その時には権利関係を一つ一つ丁寧に説明する必要があり、隠し子などがいる場合でも正確に伝えなければ正しいアドバイスを受けることができず、かえってマズイことになってしまう公算が大ですから正直に話すようにしましょう。

 

親族関係図などを作っていくと呑み込みが早くなるので相談を受ける側としてはかなり助かります。

 

肝心の専門家選びとしては弁護士、、税理士、司法書士、などが適応になりますが、いずれも相続問題に明るい人材を選ぶようにしましょう。

 

各専門家とも実際は取扱分野が広く、相続関係には明るくなかったりします。

 

詳細を見る

クレジットカードの相続手続きはどうすればよい?

まずはカード会社に連絡

 

クレジットカードについては銀行口座と異なり、カード会社側が死亡情報を自ら得て、取引を凍結するということはありません。

 

相続人からの連絡を経て手続き停止となります。

 

被相続人が亡くなったら、カードの裏面に記載されている電話番号に連絡して、死亡したことを伝え、解約手続きを行いましょう。

 

クレジットやキャッシュローンの未清算金がある場合これらはマイナスの相続財産となります。早い話が払わないといけません。

 

それが嫌なのであれば相続放棄という手続きがあります。

 

相続放棄は相続発生(及び自己が相続人になったことを知って)から3カ月以内に家庭裁判所に申述書を提出しなければいけません。

 

時間的余裕は無いので早めに動きましょう。

 

ですので解約のためにカード会社に連絡した時に必ず故人の未清算金や返済額がどのくらいあるのか確認しましょう。

 

相続財産で支払える金額であれば良いですが、多額のキャッシュローンなどがあった場合に相続財産を超えるようであれば相続放棄を選択することになるかもしれません。

 

あとカード会社への支払いが滞ると、延滞金が発生します。

 

無駄な出費を抑えるためにも、早めに連絡して、支払い状況を把握しておくことが大切かと思います。

 

また多額の消費者金融での借金が判明した場合、債務整理(利息制限法に引き直して借金を計算し直します)をすると借金が無くなり、逆に過払い金としてお金が戻ってくることもありえます。そのようなケースもあることは覚えておいた方が良いでしょう。

 

家族カードで光熱費の支払いはできるか?

 

水道やガス、電気などの光熱費を夫名義のクレジットカードで支払っているというケースも多いと思います。では、妻の持っている家族カードでの支払いに変更できるのでしょうか?

答えは『ノー』です。

 

クレジットカードは、親カードの持ち主(つまり故人)の信用に基づいて発行されるものなので、その人が亡くなってカードが解約となると、自動的に家族カードも解約になってしまうのです。

 

 

水道、光熱費をカード払いにしている場合は、銀行口座からの引き落としにするか、払込用紙を送ってもらって現金で支払うか、ご自分のカード払いにするなどの手続きが必要です。

 

詳細を見る

生命保険の請求の仕方は?

どんな保険に入っているかまずは確認

 

生命保険の死亡保険金は、受取人が請求しなければ受け取ることができません。亡くなった方がどのような保険に入っていたか知っていますか?

妻や子どもを受取人にして共済やかんぽ、民間の生命保険会社に加入しているかもしれません。

 

もしわからなければ、まずは保険証券を探して中身を確認しましょう。

保険証券が見つからない場合はどうすれば良いでしょうか?

 

保険証券が見つからない場合でも、どのような保険に入っていたか確認する方法はあります。

まだ働かれていた方であれば給与明細などから引き落としがないか調べてみましょう。その他預金通帳もチェックしてみましょう。

 

また保険会社から定期的に送られてくる郵便物があるかもしれません。

意外なところでは生命保険会社のカレンダーやタオル、ティッシュなどの備品が手掛かりになることもあります。

 

そうした物の中から加入していた生命保険を特定することは可能です。

 

それでも全く手掛かりがないという場合は弁護士に依頼して契約照会をしてもらうという手もあります。

 

なお、医療保険に加入していた場合、入院日数などの条件を満たしていれば、亡くなった後でも入院給付金を請求することができます。死亡保険金だけでなく、医療保険に加入していたかどうかも調べましょう。

 

保険会社に請求すれば一週間以内に振り込まれる

 

死亡保険金に加入していることの確認ができたら、保険会社の担当者やカスタマーセンター等の窓口に連絡して、所見番号や被保険者の名前、死亡日などを伝えます。

 

請求に必要な書類や手順を教えてくれるので、必要書類を準備し、保険会社から送られてくる請求書に添付して返送しましょう。生命保険金は、早ければ、請求書類が保険会社に届いてから4営業日後に指定の口座に振り込まれます。

 

ちなみに相続人に対して支払われた死亡保険金は相続税の対象となり、相続人以外だと贈与税の対象となります。入院、手術給付金は非課税です。

 

一方、夫を日被保険者とし、妻が契約して保険料を払っていた養老保険などは夫が死亡した場合、契約していた養老保険の保険金額と同額の死亡保険金が妻に支払われます。この養老保険金は妻にとっての一時取得となりますので、所得税・住民税の課税対象になります。

 

なお、別記事で詳しく説明していますが、死亡保険金は受取人固有の財産であるため、相続放棄をしても受け取れます。遺産分割協議の対象にもなりません。

詳細を見る

<相続税>自宅の土地・建物の評価額は?

市街地は路線価方式で郊外や地方は倍率方式で評価

相続税は、相続財産の総額をもとに計算されます。

現金や預貯金なら額はすぐわかりますが、不動産や有価証券など、その他の財産の額はどうなるのでしょう?

基本的にはそれぞれ取得したときの時価で評価するという事になっていますが、時価というのは市場のニーズで変動するものなので、国税庁では財産評価基本通達という各種財産に対する一定の評価基準を定めて、公平に評価できるようにしています。この通達に従って算出された評価額が相続税を計算する際の不動産などの額ということになるわけです。

具体的には、まず土地の場合は路線価方式、もしくは倍率方式のいずれかで評価します。

 

路線価方式は、毎年国税庁が発表する路線価に土地の面積をかけて出す評価方法で、主に市街地の土地の評価に用いられます。

これに対して路線価のついてない郊外や地方の土地は、固定資産税評価額に、その地域ごとに毎年定められてる評価倍率をかけて算出する倍率方式で評価額を出します。

路線価や評価倍率は国税庁のホームページで見ることができますし、固定資産税評価額は毎年5月ごろに各自治体から送られてくる固定資産税納税通知書に記されていますので、いずれの方式も自分で計算してみることができます。

 

使い勝手の良し悪しなどで土地の評価額に補正がかかる

ただ実際には土地は正方形や長方形の整形地ばかりではありません。

変形していたり、L字型になっていたりなど不整形な土地もあります。

また、同じ長方形でも道路に面した間口が狭く、奥に細長く伸びていたり、間口は広いけど奥行きが極端に短いなど、使い勝手の悪い土地もあります。

逆に、2つの道路に面した角地や、平行して走る2つの道路に接した土地など有効性が高い土地もあります。

このように形状や条件の異なる土地を、単純に面積だけで評価するのは妥当ではありませんから、それぞれに応じて、評価額にプラスやマイナスの補正がされることになっています。

このほか、一部ががけになったがけ地や広大地と呼ばれる、都市開発法が規定する開発を行った際に道路などの設置が必要な非常に広い土地なども補正の対象となります。

 

補正の計算は複雑ですので、そのような土地をもっているなら、相続カフェにご相談いただければ評価させていただきますので是非ご相談ください。間違った計算をしてしまうとかなりの損失を被るケースもあります。

 

一方建物については固定資産税の評価額がそのまま相続税の評価額になります。

これも先述の固定資産税納税通知書に記されているので、それを見ればすぐわかります。

詳細を見る

兄弟に相続権はあるのか?

本日は相続権について書かせていただきます。

相続というと亡くなられた方の子どもがするものだと思っている方が大半かと思います。

間違いではないのですが相続権はその亡くなられた方の親族関係で変わってきます。

兄弟は基本的には相続権を待ちませんが、持つ場合もあるので注意が必要です。

法定相続人は誰になるか?

遺産を相続できる人は民法に定められています。これを法定相続人と言います。

法定相続人には順位がありその順位の上の人物から取得していくように法定されています。

※配偶者は常に相続人となります。

 

第一順位  直系卑属 (子や孫)

亡くなられた方の下の世代の事を直系卑属と言います。

孫が相続権を持つときは子供がすでに死亡している場合で、これを代襲相続と言います。

相続分は配偶者2分の1、直系卑属2分の1です。子どもが複数いる場合2分の1をその子どもの人数で割ります。

 

第二順位  直系尊属 (父母や祖父祖母)

第一順位(子や孫)がいない場合相続権を持ちます。

亡くなられた方の下の世代の事を直系尊属と言います。

相続分割合は配偶者3分の2、直系尊属3分の1です。

 

第三順位  兄弟姉妹

第一、第二順位がいない場合相続権を持ちます。

相続分割合は配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1です。

 

兄弟が相続権を持つ場合の注意点

未だ付き合いも続いている仲の良い兄弟なら良いですが、一切連絡も取らないしどこにいるかもわからない場合や仲が良くない場合であっても法律上は権利があります。

日頃の付き合いがない場合、相続の手続きが進みにくい場合が多いです。

兄弟が亡くなっている場合などはさらに大変です。その兄弟の相続人全員が相続権を持つので当事者が一気に増えてきます。

もし兄弟に相続権を渡したくない場合などは遺言書を書くなどが有効です。

兄弟姉妹には遺留分がないため兄弟姉妹は、遺言の内容に不満があっても遺留分の権利を主張して、遺言の内容を否定することはできません。

したがって兄弟姉妹に相続財産を渡したくないのであれば、遺言で他の人物に相続財産をわたすことを明記しておくだけで、実現することができます。また、兄弟姉妹の中の一人だけに相続財産を与えないような遺言を作成することもできます。

 

しかし遺言は法定された記載でないと効力がないので専門家に相談しましょう。

また自分に相続権があるかどうかなど知りたい場合なども気軽に相続カフェに立ち寄ってご相談ください。

詳細を見る

遺族年金(遺族厚生年金)は誰でももらえるのか?

職業、子どもの有無、婚姻期間によって異なる

夫の死亡後、遺された家族の生活を支えるうえで大きな役割を果たすのが遺族年金です。

ただしこれは、誰もがみな同じように受け取れるとは限りません。

保険料納付条件を満たしているか、夫の職業や子どもの有無、夫との婚姻期間などによって、受け取れるかうけとれないかが決まります。

また、受け取れるとしても金額が大きく変わってきます。不平等な感じがするかもしれませんが、それは年金制度が、「自営業者向け」 「公務員向け」 「会社員向け」 というふうに別々に作られ、運用されてきた背景があるためです。以下職業別に説明しましょう。

 

 

自営業者の人は18歳未満の子どもがいれば遺族年金が受け取れる

個人商店を営んでいたりフリーで仕事をしている人は、第一号日保険者として 「国民年金」 に加入し、自分で保険料を払います。

これらの人が亡くなった場合、条件つきで国民年金から遺族年金支給されます。

その条件とは死亡した人に18歳の年度末までの子、または一定の障害を持つ20歳未満の子がいることです。

要件を満たす子供がいる場合、子どもの数に応じた遺族年金が支給されます。ただし子どもが高校を卒業したり、一定の障害のある子が20歳に達したりすると支給されなくなります。

 

 

子どもがいない妻は条件付きで寡婦年金が受け取れる

条件にあう子どもがいなくても、次の条件を満たしていると、60歳から65歳までの間、寡婦年金という年金が支給されます。

  • 亡くなった夫が国民年金の第一号被保険者(自営業者等)としての保険料を25年以上納めていたこと
  • 婚姻期間が10年以上あったこと

つまり、夫が国民年金保険料を25年以上支払っていて、かつ婚姻期間が10年以上あれば、遺された妻が60歳になったとき、老齢基礎年金を受け取るまでの間、遺族年金が受け取れるということです。

なお遺族年金も寡婦年金も受け取れない場合は夫が3年以上保険料を納めていれば死亡一時金が受け取れます。

 

 

子どもがいなくても遺族厚生年金が受け取れる

遺族年金に関して言えば自営業者に比べて、会社員や公務員は非常に恵まれていると言えます。

1つは、子どもがいなくても支給される点です。先ほども触れましたが自営業者の場合子どもがいなければ、寡婦年金の仕組みしかありません。

条件に合わなければ年金という形で公的な生活保障を受けることができないのです。

しかし会社員や公務員は子どものいない妻にも無条件で遺族厚生年金という形で遺された妻の生活保障としての年金が支給されます。

なお、公務員や私立学校職員は、かつて共済組合という独自の年金制度が適用されていましたが、2015年10月1日以降厚生年金に統合されました。

 

 

夫の死亡時に40歳から65歳前なら中高齢寡婦加算額が加算される

勤め人の遺族厚生年金は子どもの有無を問わず支給されるというのが大きなポイントとなっています。

金額は夫が生存していたと仮定した場合に受け取れる老齢厚生年金の4分の3の額となっており、金額は夫の年収や勤務機関によって異なります。

また夫の死亡時に子のいない妻が40歳以上であれば、40歳から65歳に達するまでの間、遺族厚生年金にプラスして中高齢寡婦加算額が支給されます。

こちらは夫の年収や勤続期間にかかわらず一律となっています。

ただし、夫の死亡時に子のない妻が30歳未満であった場合には、遺族年金の支給は5年で終わりになります。

「まだ若いので、自分でその後の人生設計をしっかり行ってくださいね」という考え方に基づいてるのでしょう。

詳細を見る

相続コンテンツ一覧

提携して一緒にプロとして相続対策をしてくださる司法書士の方へ

まずはご連絡くださいませ。
その後、詳しいお打ち合わせをさせてもらえたら幸いです。
相続のプロ税理士を探されている方もご連絡ください。

06-6940-6319

【予約制】平日 11:00-18:00 / 時間外・土日対応可能

いつでもお電話お待ちしております!