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実際にあった相続の悩み

遺言書のトラブルについて

人が亡くなった場合に発生する「相続」において、被相続人(亡くなられた方)との血縁関係者を法定相続人として相続の手続きが行われるのが一般的ですが、中にはあらかじめ「遺言書」を作成されるケースがあります。遺言書を残す場合の多くには「トラブルを避けたい思い」や「遺言者の強い思い」などが関係してくるため、法定相続に大きな影響を及ぼすことがあります。

 

遺言書の効果とは?
遺言書は、財産の所有者が生前にあらかじめ相続発生後の相続人を指定することで、法定相続人に優先して相続を指定することができます。よって、自分の相続発生後に「法定相続人」の同意を得ることなく、相続の手続きを遂行することができます。

 

知っておきたい遺言の種類とメリットデメリット

遺言書といっても種類やルールがあり、一定条件を満たしていないものは公的効果を持たないため注意が必要です。遺言書の種類と、メリットデメリットについてご説明いたします。

 

  • 自筆証書遺言

これは「自筆」という文字のごとく、自分で作成する自作の遺言書になります。用紙の指定は特になく、自宅にある白紙に遺言内容や自身の意志を綴ることで遺言書としての効果を発揮します。当然費用がかかることもなく、自宅でも作成できます。ただし、遺言者の相続発生後に自筆証書遺言が発見された場合は、開封する前に管轄の家庭裁判所にて「遺言書の検認」の手続きを必要とし、検認が完了した時点で効力を持つ遺言書として認められます。

 

メリット:費用がかからない・自宅で誰でも作成できる

 

デメリット:一定の書式を満たさなければ効力を持たない・発見されない場合がある・内容を改正される危険性や悪用される危険性がある・自然災害などで紛失される場合がある・開封前に管轄の家庭裁判所での手続きを必要とする

 

  • 公正証書遺言

これは自筆証書遺言とは違い、「公証役場」という公的な機関による「公証人」を交えて作成する公式な遺言書になります。内容は自分で意思表示を行うものの、遺言書自体の作成は公証人が行うため「表記ミス」や「規定の書式」などがないよう念入りな打ち合わせの上作成されるため、意思表示と効果の間に相違が発生するというリスクを回避することができます。

 

メリット:公証役場によって作成してもらうため表記に怠りなく絶対の効力を持つ・正本副本を作成されるため、1通が公証役場に保管され半永久的に保管される・証人が2人設定されるため、万が一の場合に不正や内容の改正を避け、確実な遺言内容が立証される

 

デメリット:遺言書の作成にあたり費用がかかる・公証役場との打ち合わせを要する

 

遺言書によって起こりうるトラブルとは?

 

「遺言書の作成でトラブルが発生するのであれば、遺言書に意味がないのでは?」と思ってしまうかもしれません。しかし、実際は財産を巡った「人間関係」で揉めてしまう場合や、そもそも「遺言書自体に問題がある」場合など、様々なケースがあります。

 

遺言書

  • 自筆証書遺言が後から出てきた。

これは自筆証書遺言つまり「自分で作成した」ということがきっかけとなるトラブルに発展してしまいます。自分で自筆証書遺言を作成したものの、いざ相続発生後には発見されず、遺産分割協議などの相続手続きが完了した後に発見されてしまった場合などが該当します。この場合は「遺言書の内容」が優先されるため、手続き内容が遺言書の内容と異なる場合は、遺言書の内容を最優先として再び手続きを行う必要性を問われます。また、遺言書に関しては書面での遺言が認められているため、映像媒体での記録や電子記憶媒体に遺言者の意思を示した内容の物が後から発見された場合、遺言書としての効力を持たせることができませんので、無念となってしまうケースもあります。

 

  • 自筆証書遺言の必要項目記入漏れ、または誤記入

自筆証書遺言が発見されたが、一定の書式を満たしていないが故に無効となりトラブルへと発展してしまいます。また、遺言書の内容に記入上の誤りがあった場合もまた、効力を発揮することができなくなる場合があります。大前提として「誰が読んでも解読できる」という意思疎通の必要性を問うため、自分や限られた人しか読めない「暗号」のような表記はもちろん、解読ができない文字は無効となってしまう場合があります。数字ひとつ違えども、その影響は大きなトラブルへと展開してゆきます。遺言者の最後の思いがあるにもかかわらず、その内容が優先される効力を持たずして相続の手続きが開始されてしまうことになってしまうのです。自筆証書を作成する場合は、一定の記入事項をあらかじめ専門家等に確認を行うなど、記入漏れや書き間違いなどに注意が必要です。

 

  • 人間関係上のトラブル

遺言の有無によるトラブルの中でも「再婚をしている夫婦」というケースには注意が必要です。再婚をしている場合、前妻夫との間に子供がいるかどうかによって大きく左右されてしまうからです。「隠し子」も同様に、相続が発生してから気づくという場合も考えられます。こうした前妻夫の間に生まれた子供や隠し子というのは、再婚後も相続の発生においては「法定相続人」として登場することになりますので、手続きを円滑に行う目的で遺言書を活用する場合があります。しかし、こうしたケースでは一度も会ったことのない子供やその親権者などが登場してくる場合があり、お互い面識のないもの同士でやりとりをしなければならない状況などがトラブルの原因となってしまうのです。こればかりではなく、遺言内容自体に不満を持つ場合の人間関係のトラブルに発展してしまうこともあります。一部例外を除いて法定相続人に認められた権利である「遺留分」などをめぐり論争となってしまうことで、後の人間関係へと影響してくるケースも考えられます。また、自分が遺言による財産分与の対象外の被害者になってしまう場合もあります。こうした場合には「遺留分」が認められるかどうか判断をした上で、主張できる場合には遺留分で認められた相続分を取得することができます。

 

  • 遺言執行者の選任制度によるトラブル

遺言者が自身の相続発生後の相続手続きについて「遺言執行者」を定めていた場合に、感情論へと展開しないために第三者や機関を指定する場合があります。遺言執行者が「代理人」として疑惑なき人物であれば良いのですが、中には選任自体に疑問を持たれてしまうなど、近い人物であることから不当性を疑われてしまうケースなども考えられます。遺言執行者の選任を考える場合には、平穏かつ公然に執行を行うことができる立場の人間または機構を選任することが望ましいでしょう。

 

  •  子供がいない夫婦の遺言書トラブル

 

結婚はしていて再婚もなく子供もいないので、遺言書は不要!と思ってしまいがちですが、このような場合にもトラブルが発生してしまう場合があります。確かに婚姻関係がある場合は、配偶者は常に法定相続人となるため相続権は認められます。しかし、夫婦間に子供が存在しない場合の法定相続人は「配偶者」ではなく「配偶者及び被相続人の両親または兄弟姉妹」となります。いざ相続が発生して、配偶者が100パーセントの財産ではなく2分の1の取り分となってしまいます。残る2分の1は、亡くなられた方の両親または兄弟姉妹での分割となります。財産の取り分の話でトラブルとなってしまう場合も然り、手続きのたびに関係者全員の同意と身分証明書の提示や署名捺印を必要とするため、円滑な相続手続きが実行できないケースも考えられます。

 

  • 明らかに不正とみられる場合または偽造と推定できる場合

遺言書で一番怖いのが、自筆証書遺言を誰かが捏造したり内容を変更したりという不正行為です。公正証書遺言と違い、誰でも簡単で自由に作成できることから、その証拠を辿るのが難しい場合もあります。遺言書の内容で「そんなはずはない」と言った文面が残っていたとしても、それが遺言者の意思の可能性や不正を働いている可能性についても考えてしまいます。つまり一定の書式や条件さえ満たしていれば、自筆証書遺言の効果を持ってしまうことが結果としてトラブルを引き起こしてしまうことになります。

 

 

このように、遺言書の有無によって発生してしまうトラブルは多く存在し、相続における人間関係トラブルは、まさに「争族」となってしまうのです。相続は、個人個人の環境によって状況が異なるため、遺言書があったほうが有効である場合にはもちろん活用されますが、遺言者の意思で遺言書が残されることは誰も咎めることはできません。本来であれば、死後も個人の所有していた財産を自由に処分できるよう自由を認めるべく権利ですが、必ずしも望ましい方向へ働くとは限らないのが実際です。遺言の内容は優先されますが、人間の感情は有無を問われないことから、トラブルの発生も余儀なくされます。財産を守るという大きな効力を持っている傍、こうしたトラブルと隣り合わせである遺言書には、内容次第で人間関係を崩してしまうということにも繋がりかねません。

 

こうしたトラブル等を最小限に抑えるためにも自筆証書遺言の場合は、速やかに管轄の家庭裁判所への検認手続き、それに伴い専門家への相談を行うことで適切なアドバイスを仰ぐことができます。公正証書の場合は、遺言者の強い意志を理解し、証人や理解者を交えた上で公平に話ができる環境を設けるなどして、円滑な相続手続きを心がけるとよいでしょう。

 

まとめ

人間は感情を持った生き物ですから、財産が絡んだり損得の不公平が発生すると、今までとは違う反応を示したり感情を刺激されることは避けきれません。相続手続き等の一連を通じて、お互いが疎遠になってしまうことも珍しくないため、不安な要素がある場合は専門家による正確な助言を頼るも有効であり、何と言っても遺言者の最後の思いが保持されることが一番の望みであります。

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【遺産の放棄はできる?】相続放棄についてまとめました。

相続が発生すると被相続人が生前所有していた財産が相続人等に承継されることになりますが、必ず故人の遺産を引き継がなければならないわけではありません。

 

相続財産にはプラスの財産だけでなく借金などマイナスの財産も含まれますから、借金過多の場合そのまま相続してしまうと遺族らが借金に追われる可能性もあるからです。

 

被相続人に借金の方が多いことが分かっている場合には相続しないことを選択することができ、これを「相続放棄」といいます。

 

相続放棄をすると民法上は最初から相続人でなかった扱いとなり、プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないことで被相続人の財産とは無関係の立場に立つことになります。

 

この相続放棄は全ての権利を放棄するというイメージで一見分かりやすいように見えますが実際はいくつか注意が必要なこともあります。

 

今回は相続放棄に焦点を当てて、利用法や注意点などについても見ていきたいと思います。

 

 

■相続放棄の通常の利用法

 

冒頭でも簡単に述べましたが、相続放棄が検討されるのは通常、被相続人に借金の方が多く、相続してしまうと収支が赤字の遺産を承継してしまい借金に追われるなどという場合です。

 

一般の方で借金まみれというのはそれほど多くはないと思いますが、例えば個人事業をされている方などは事業資金の確保のために借り入れをしてることが多く、資金繰りの悪化から負債が雪だるま式に増えてしまう事例もあります。

 

このような時にプラスの遺産よりも借金の方が多ければ相続放棄を行うことで負債の承継をしないで済みます。

 

 

■注意が必要な相続放棄の利用法

 

通常の利用法以外でも相続放棄が検討されることがあります。

 

本来であれば自分も相続人として遺産を受け取ることができても、例えば同じく相続人となる被相続人の配偶者たる自分の母親に取り分を譲りたいとか、事業承継のために長男に遺産を集中させたいという場合に相続放棄をして遺産の取り分を他者に集中させるということもできます。

 

ただしこのような利用法の場合、他に相続人と成り得る地位を持つ者がいた場合にはその者に相続権が移ってしまうので思わぬ誤算となる危険もあります(後述します)。

 

 

■相続放棄は手続きが必要

 

相続において相続放棄をしたいのであれば、期限までに手続きを取る必要があります。

 

この手続きをしないと単純承認といって、自動的に相続を承認したとみなされて借金も相続してしまうことになります。

 

相続放棄をするのであれば、相続があったことを知った日(通常は被相続人の死亡)から3か月以内に家庭裁判所で手続きを取る必要があります。

 

この手続きは限定承認と違って、複数の相続人がいても単独で行うことができます。

 

手続き先は被相続人が生前住んでいた住所地(住民票上の住所地)を管轄する家庭裁判所になります。

 

故人と一緒に住んでいたのであればいいのですが、離れて暮らしていた場合は手続き先を間違わないようにしましょう。

 

 

■相続放棄の手続きに必要な物は?

 

相続放棄の手続きの際に必要になる添付書類などについては、その相続放棄を望む者と被相続人の関係によって多少変わってきますので個別の事案に応じて管轄の裁判所に問い合わせるのが安心です。

 

一例を挙げますと、相続放棄をしたい人が被相続人の配偶者の場合は、被相続人の住民票の除票又は戸籍附票、被相続人の死亡時の戸籍謄本、相続放棄をする人の現在の戸籍謄本(3か月以内に発行されたもの)となり、相続放棄をしたい人が被相続人の父母など(相続の優先順位が第二順位)の相続人の場合は被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本、放棄する人の現在の戸籍謄本(3か月以内に発行されたもの)、被相続人の直系卑属(子や孫など)が死亡しているときはその出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要になります。

 

この他にも相続放棄の申述書や収入印紙代、郵送物用の切手代などが必要になります。

 

収入印紙代は相続放棄者1人につき800円となりますが、郵便切手代は事案により多少異なります。

 

概ね1000円前後あれば済むものと思われます。

 

 

■相続放棄と代襲相続の関係

 

相続人に関してたまに聞かれるのが、相続放棄をすると代襲相続はどうなるのか、という質問です。

 

代襲相続というのは、本来相続人となるはずであった者が相続発生時にすでに死亡していた場合や欠格や廃除などで相続権を喪失していた場合に、その子など直系卑属が相続権を引き継ぐ(代襲する)ものです。

 

例えば被相続人の子がすでに死亡していた場合はさらにその子が代襲相続することになるのですが、代襲相続は上記の通り死亡あるいは相続権の消失(欠格や廃除)によって起こるもので、相続放棄とは関係ありません。

 

従って被相続人の子が相続放棄をしても代襲相続が起きるということはなく、次順位者がいればそちらに相続権が移ることになります。

 

 

■相続放棄と相続権の優先順位

 

複数相続人がいる相続事案で特定の者が相続放棄を行うと、相続財産の行方はどうなるのか気になるかと思います。

 

民法で法定されている相続権の優先順位はまず配偶者がいれば必ず相続人となり、後は以下の優先順位で配偶者と共に相続人となります。

 

第一順位:子

第二順位:直系尊属

第三順位:被相続人の兄弟姉妹

 

例えば配偶者と子が一人いるケースで、子が母の生活費のためにと考えて相続放棄をしたとして、まだ被相続人の親も生存している場合には上述したように子の相続権は第二順位の直系尊属たる親に移ってしまい、被相続人の配偶者たる母親に遺産を集中させたいという願いを叶えることができなくなる危険があります。

 

このような場合は相続放棄ではなく遺産分割協議書で調整を行うようにしましょう。

 

配偶者がおらず複数人の子が残された場合は各子は均等分の相続権を持ちますが、例えば長男と次男が残され、事業を継ぐ長男に遺産を集中させるために二男が相続放棄をすると二男の相続分を長男に集中させることができます。

 

この場合に二男の放棄した分は同じ優先順位である長男に移ることになり、下位順位者である直系尊属には移りません。

 

 

■相続放棄と保証人の地位

 

注意が必要なのが被相続人が連帯保証人になっていた場合です。

 

この場合基本的には被相続人の連帯保証人としての地位を相続によって承継し、相続人が連帯保証人の地位を引き継ぐことになります。

 

友人知人の借金の連帯保証人になっている場合や、アパートを借りる際の連帯保証人になっている場合はその保証人たる地位を引き継ぐことになります。

 

その保証債務の負担を引き継ぎたくないのであれば相続放棄をする必要があるということです。

 

ただし保証債務の種類によっては相続の対象にならないものもあります。

 

例えば身元保証で、会社に勤める際などに会社に損害を与えた場合に備えて身元保証を求められることがあります。

 

こういった身元保証は原則として相続の対象にはなりません。

 

しかしその場合でも、すでに損害が発生しており賠償義務がすでに発生しているような場合には、負債がすでに発生しているわけですので相続の対象に入ってきます。

 

 

■まとめ

 

今回は相続放棄について見てきましたが、まず被相続人に借金の方が多いことがはっきりしている場合は必ず取るべき手段であることははっきりしています。

 

注意が必要なのは特定の者に遺産を集中させるために相続放棄を考える場合と、被相続人が保証人になっていた場合です。

 

実際の相続では間違いがあると問題が大きくなるので、相続放棄を考える場合でも一度税理士に相談しておくのが安心です。

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遺産額にかかわらず相続争いは起こる

少子高齢化や核家族化などが急激に進む中で、遺産を巡る争いが確実に増えています。

 

全国の家庭裁判所が取り扱う遺産分割事件数は増加傾向にあり、2001年が10,988件、2012年は15,286件と約1.4倍に増えています。

 

その内容を見ていくと5000万円以下の事件や1000万円以下の事件が増えています。

遺産分割の額にかかわらず分割協議がうまくいかず調停を申し立てるパターンが増えてきていることがうかがえます。

 

資産のない家がもめる原因は自宅の存続問題が多い

 

典型的な相続争いの例としては、「実家とわずかな金融資産」をどのように分割するかということで争いが生じやすいです。

 

実家に被相続人以外が居住していなければ売却してお金を分ける、という方法がとりやすいかと思います。

 

しかし実際には実家に被相続人以外にも子どもやその家族が同居しているケースも多く、売却すると追い出すことになるためなかなか話がすすみません。

 

例をあげてみます。

 

土地付き一戸建ての父親名義の不動産に長男夫婦とその子どもが住んでいるケースで、遺言書を残していない場合。父親は介護が必要で長男は必死に介護していたとします。

 

長男と長女、次男で遺産分割に入ったところなかなかまとまりません。

 

長男の言い分は父親と長年にわたり同居し、面倒も見てきたのだから実家に住む権利があると主張します。

 

しかし長女、次男からすればたしかに兄が面倒見てきたのはわかるが、私たちもそれなりに協力してきたのだし、兄一人で相続財産全てを取得するのは納得がいかない様子。

 

ここで長男が代償金として売却したら得たであろう金額を、次男と長女に払うなりすれば話はスムーズでしょうが、そう簡単に数百万円、数千万円と現金を用意できることはなかなか出来ないでしょう。

 

そうなると次男と長女は売却までは求めないが少なくとも共有名義にすることは求めてくるでしょう。

 

たとえ共有名義にすることで合意しても、共有名義の不動産の管理利用方法について兄弟姉妹間で合意する必要があります。

 

もし次男や長女が自分の持ち分を第三者に売却してしまうと、長男は見ず知らずの第三者と自宅を共有することになり、第三者より買取を請求される恐れもあります。

こおように共有名義では長男一家にとって不安が残る結果となるので、全員が納得して合意に至るには時間がかかってしまいます。

 

このようになかなか話し合いがまとまらないケースは多いのです。

私個人的な感覚でいえば上記の事案ではどちらの言い分も理解できます。だからこそ揉めるのでしょう。

 

生前に話し合う機会を作ることや遺言書の作成は現代の社会的背景を考えると必要なことなのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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遺産分割協議がうまくまとまらない場合どうなる?相続税の申告は?

遺産分割協議がうまくまとまらない場合はどうなるのか?

遺産分割協議は相続人全員での話し合いで全員一致しないと進まないのでなかなか結論がでないという事は良くあります。

 

親族という親しい間柄の人同士の協議なので、つい感情的になって、きつい言葉を投げかけたりすることもあるでしょう。

そうすると、よけい話し合いはこじれてしまいます。

 

その結果どうしてもまとまらない場合、家庭裁判所に調停の申し立てをすることができます。

 

申し立てる先は意見が対立する相手の住所地を管轄する家庭裁判所、もしくは相続人間で合意した裁判所になります。

 

調停とはいわば裁判所における話し合いですので、裁判官や調停委員が各相続人の主張や意見を聞いていき適宜アドバイスをしたりして解決策を探っていきます。

 

審判は調停のような話し合いではなく裁判所が判断を決定するものでそれぞれの相続人の状況や財産の内容、それまでの経緯などを勘案して遺産分割に関する判断を下し相続人たちはそれに従うことになります。

 

このように、遺産分割がもめていまい、調停や審判という事になると大いなる労力がかかってしまうことになります。

 

また余分に多大な費用がかかってくることになってしまいます。

 

スムーズに手続きをすすめるには遺留分を侵害しない遺言書を残しておくのが早いです。

 

 

未分割状態での相続税の申告

相続税の申告と納税は10か月の時間の猶予しかありません。

 

一度もめてしまった遺産分割がその期間内にまとまることはなかなか困難ですが、未分割だからと言って申告期限が伸びたりすることはありません。

 

なので未分割のまま申告することになるのですが、未分割での申告にはデメリットがあります。

 

1、配偶者に対する相続税額の軽減が受けられない

2、小規模宅地等の評価減が使えない

3、農地等の納税猶予が受けられない

4、物納ができない

5、預金が凍結されて引き出し利用ができない場合がある

 

これらのメリットが受けられないという事は、当然に相続税が割高になることや納付が困難になることが考えられます。

(1と2については手続きを踏むことにより、3年以内に分割がまとまれば適用することは可能です。)

 

以上の事からも未分割状態は、多くの問題を抱えることになることがわかるかと思います。

 

また遺産分割が伸びると相続人が死亡して更に権利関係が複雑になることもあり得ます。

 

上記税法上の特例は、すべての財産に対して行われていなくても、該当財産が分割されていれば適用されることがほとんどです。

 

そのような財産から優先して話し合っていく工夫も必要かもしれませんね。

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遺産分割の共有名義、共同経営は要注意

合意しやすいからと安易に決めると後で大変

と同居する長男、次男がいる家族のケースです。

次男は高齢の父に代わって賃貸アパートを管理していました。父の資産は自宅2000万と、アパート1棟5000万です。

ある日父が亡くなり相続が発生しました。

父は日ごろ同居して献身的に尽くしてくれていた次男に全て相続させようと遺言を残していたのです。

長男は遺言内容に納得はいかなかったようですが、アパートの所有権を半分渡すことを条件に、遺産分割協議に同意すると回答してきました。

最終的には次男が折れて長男の要求通りに不動産の所有権移転登記などの相続手続きが無事に進みましたが、次々にくる住人からのクレームやアパートの内外装修繕や水回りや空調設備等の交換など、アパートの管理には想像以上に時間も労力もお金もかかり、ストレスがたまることがわかり、ほぼ次男に任せっきりになってしまったそうです。

そのくせ賃料収入だけは受け取っていて、賃料収入や補修費用などの支出など、事業内容にまで細かく口を出すようになっており、次男は分割内容に大いに後悔する結果となってしまいました。

 

共有だと意思決定が難しい

次男は年齢のことも考え、家賃管理や空室管理を一括して請け負う管理会社に外注してもよいと考えていますが、ムダな支出を嫌う長男はなかなか受け入れようとはしません。

こんなことになるなら、共同経営などという長男の甘い誘いには乗らず、売却して遺産分割をしたほうがよかったかもしれないと思うようになってきています。

それでも、定年後の生き甲斐に父親が始めたアパートには思い入れがありますし、 次男にとっても住民との付き合いや管理で苦労してきたことを考えると、手放したくない気持ちが強いのも確かです。

また売却するにしろ自分の意志だけでは売却は不可能です。

近い将来に長男と本格的にぶつかるのではないかと不安に思う毎日を送っているようです。

賃貸アパートの経営だけでなく会社の事業承継などでも、相続人が共同経営を選択した場合、最初の思惑の違いから途中でトラブルになることがあります。

遺産分割協議の際に合意しやすいからといって、共同経営の条件を安易にのむと後で大変な思いをすることがありますし、次の代の事業承継や遺産相続でより一層面倒なことになる可能性もありますので、相手の経営能力もよく考えてから合意することをお勧めします。

 

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兄弟に内緒で相続したい

兄弟に内緒で相続することは可能か。

自分は家を出てしまっており、両親と話す機会もほとんどない。実家に残っている兄とあまり仲が良くなく、このままでは兄が両親を説得して『財産はすべて自分に』というような遺言を書かせているのではないかと思うと、夜も眠れない。

実際に相続カフェに相談に来られた方の相続に関するお悩みですが、相続人が兄弟の場合、よくある悩み、またどういったところに気を付けるべきでしょうか?

親が遺言を書いているかどうかを調べる方法

公正証書遺言を書いている場合は、公証役場の『遺言検索システム』というものがあります。必要書類と諸費用を払えば、法定相続人や利害関係者であれば調べることが出来ます。しかし、これは、相続の開始以後に限られ、遺言を書いて方がまだご健在の場合、このシステムで調べることができるのは、遺言を書いた本人に限られます

そのため、そもそも親が遺言を書いてあることを相続人に伝えている場合や、親とこのような話をざっくばらんにできる関係である必要があります。

しかし、現実はなかなか聞きづらいものなので、難しいでしょう。

遺留分に要注意

このケースで、もし『財産はすべて兄に』という遺言がかかれていた場合、財産は1円ももらえないのでしょうか。答えはNOです。相続には遺留分という最低限保証される取り分があります。相続人が兄弟2人の場合は、1人最低4分の1はこの遺留分で守られますので、今回のように全財産を兄にということは法的にはありません。

次に、遺言がない場合、遺産分割協議で話合うことになりますが、もともと仲が悪いので順調に収まるとは考えにくく、調停や裁判を経て相続争いが長期化することが予想されます。

そもそもどんな財産があるかを把握する

両親と頻繁に連絡を取っているわけでもない状況では、両親がどんな財産を持っているかどうかすら把握が難しくなります。現預金、生命保険はもちろん、不動産の名義ですら正確に把握できていないことがよくあります。

この方も相続カフェで不動産の名義を調べた結果、実家の土地の名義が父親でなく母親になっていました

財産の大部分を占める土地の名義が明らかになっており、病気で相続が近いかもしれない父親の財産に土地が入っていないことを知り、少しは悩みが解消されました。

自分の勘違いで無用な悩みで夜も眠れない日々を送ることでいいことはひとつもありません

このように他人の財産を把握するにも、なかなかひとりでは出来ないことも多いですが、相続カフェではこれをきっかけに親の財産の把握から1歩ずつ進めていき、両親、兄弟に嫌がれずに対策を進めていくお手伝いをしました。

 

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