兄弟に内緒で相続したい
兄弟に内緒で相続することは可能か。
自分は家を出てしまっており、両親と話す機会もほとんどない。実家に残っている兄とあまり仲が良くなく、このままでは兄が両親を説得して『財産はすべて自分に』というような遺言を書かせているのではないかと思うと、夜も眠れない。
実際に相続カフェに相談に来られた方の相続に関するお悩みですが、相続人が兄弟の場合、よくある悩み、またどういったところに気を付けるべきでしょうか?
親が遺言を書いているかどうかを調べる方法
公正証書遺言を書いている場合は、公証役場の『遺言検索システム』というものがあります。必要書類と諸費用を払えば、法定相続人や利害関係者であれば調べることが出来ます。しかし、これは、相続の開始以後に限られ、遺言を書いて方がまだご健在の場合、このシステムで調べることができるのは、遺言を書いた本人に限られます。
そのため、そもそも親が遺言を書いてあることを相続人に伝えている場合や、親とこのような話をざっくばらんにできる関係である必要があります。
しかし、現実はなかなか聞きづらいものなので、難しいでしょう。
遺留分に要注意
このケースで、もし『財産はすべて兄に』という遺言がかかれていた場合、財産は1円ももらえないのでしょうか。答えはNOです。相続には遺留分という最低限保証される取り分があります。相続人が兄弟2人の場合は、1人最低4分の1はこの遺留分で守られますので、今回のように全財産を兄にということは法的にはありません。
次に、遺言がない場合、遺産分割協議で話合うことになりますが、もともと仲が悪いので順調に収まるとは考えにくく、調停や裁判を経て相続争いが長期化することが予想されます。
そもそもどんな財産があるかを把握する
両親と頻繁に連絡を取っているわけでもない状況では、両親がどんな財産を持っているかどうかすら把握が難しくなります。現預金、生命保険はもちろん、不動産の名義ですら正確に把握できていないことがよくあります。
この方も相続カフェで不動産の名義を調べた結果、実家の土地の名義が父親でなく母親になっていました。
財産の大部分を占める土地の名義が明らかになっており、病気で相続が近いかもしれない父親の財産に土地が入っていないことを知り、少しは悩みが解消されました。
自分の勘違いで無用な悩みで夜も眠れない日々を送ることでいいことはひとつもありません。
このように他人の財産を把握するにも、なかなかひとりでは出来ないことも多いですが、相続カフェではこれをきっかけに親の財産の把握から1歩ずつ進めていき、両親、兄弟に嫌がれずに対策を進めていくお手伝いをしました。
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