相続税がかかるかどうか
相続税ってなに?
まず初めに相続税について簡単に説明させていただきます。
相続税とは死んだ人の財産を相続するときに、払わなければいけない税金の事です。
消費税ならいくらかかるか皆さんご存知のはずですが、相続税がどのようなルールになっているか知っている方はほとんどおられないと思いますので、是非この機会に知っておきましょう。
ざっくり相続税がかかるかどうかは
1、相続税財産がどれだけあるか集計する
2、基礎控除の金額を算出する
3、相続財産から基礎控除を引く
の三つを行えばわかります。
相続税は相続が発生してから、10カ月以内に申告と納税まですまさなければなりません。
あらかじめ相続税がかかるであろう事がわかっていれば早めに準備を進めた方が良いでしょう。
資産家でない限り相続税はかからない?
「遺産相続なんてうちのように財産のない家庭には関係ない」
「夫や親が亡くなったら、必ず10カ月以内に相続税を支払わなければいけない」
「税金なのだから払う金額は変わらない」
などと思っている方は多いかもしれません。ですがこれらは全て間違いです。
遺産相続は少額でも人が亡くなったら相続人に対して必ず相続が発生します。
そしてこれはプラスの財産だけではありません。借金等のマイナスの財産も相続するのです。
なので「遺産相続は全ての人に関係がある」と言えます。
また相続税には基礎控除がありそれを超えると相続税がかかってきます。
なので、こちらは「ある一定の資産がある人には相続税がかかってくる」と言えます。
相続税はさまざまな特例が存在し、活用次第では数百万円、数千万円と税金が減るという事がある世界です。
なので「対策次第で払う金額は大いに変わる」と言えます。
もし相続対策をしていれば…などという事がないように、相続税に精通した税理士に早めに相談しておくと良いでしょう。
相続税の基礎控除
相続税には基礎控除というものがあります。どのようなものかと言いますと、相続ずる財産が一定金額以下であれば払わなくても良いと言うものです。
ですので『相続財産が沢山ある人は相続税を払ってね、相続財産がそこまで多くない人は相続税を払わなくてよいよ』という事になります。
その基礎控除が平成27年1月1日より変更されました。
(父が亡くなり相続するのが妻と子供二人の四人家族のケースで見ていきます。)
以前は
5000万円+法定相続人×1000万となっていました。なので、このケースだと5000万+3000万の8000万円までは相続税がかからないこととなっていました。
現在は
3000万円+法定相続人×600万ですので4800万円を超えると相続税がかかることになります。
今回の変更で「かかるかも知れない」という不明確なラインにおられる方はかなり増えたのではないでしょうか。
何が相続財産に含まれるか
【主な相続財産の例】
1、不動産 (土地、建物、畑、山林など)
2、動産 (自動車、家財道具一式など)
3、その他 (債権、特許権、借地権、著作権、ゴルフ会員権など)
4、現金、預貯金
5、有価証券 (株券、国債など)
6、収集品 (宝石、貴金属、書画、骨董品など)
7、マイナス財産 (借金、未払い金、保証債務など)
これらを合算したものが相続財産となります。
※みなし相続財産、亡くなる3年以内に贈与を受けた財産にも相続税がかかります。
【主な非課税財産の例】
1、お墓など
2、生命保険金の一部 (500万円×法定相続人の数について相続税が非課税とされています。 )
3、死亡退職金の一部 (500万円×法定相続人の数について相続税が非課税とされています。 )
小規模宅地等の特例とは?
現金や有価証券については時価がそのまま相続税評価額になりますが、土地や建物などの不動産については、さまざまな減税措置があるため、時価よりも低い評価になる仕組みになっています。
その仕組みの代表的なものに小規模宅地等の特例があります。これは自宅の土地や事業用の敷地を評価する際、一定の要件を満たしていたら「土地の評価を最高80%まで減額できる」と言うものです。
なぜこのような制度があるのかというと、都市部などの路線価はだいぶ下落したといえど、未だに高額な所では狭い土地一つ相続するだけで、相続税の心配をしなくてはいけない評価額の場所もあります。
また店舗や工場の敷地にそのまま課税されると大変な額になりそうだなという事は想像出来るのではないでしょうか?
相続税は原則現金一括納付です。基本的には不動産で納めることはできません。なので、相続財産が自宅や事業の敷地がほとんどと言う場合、売却して納税する必要があります。
ですが居住用の土地、事業用の土地などは生活の基盤です。いきなり売却し税金を払えと言われても困りますね。
その様な問題に配慮したのがこの特例なのです。ですので、要件が厳格に定められています。
自宅で言うなら「そこに住めなくなると困る」と言うような人には適用があるイメージです。
要件 特定居住用宅地等の場合 (自宅土地の場合)
①被相続人の配偶者が相続
- 取得のみでOK
②被相続人と同居の親族が相続
- 申告期限まで所有し、かつ居住している
③上記以外の親族が相続
- 相続開始時に国内に住所を有している
- 被相続人に配偶者がいない
- 被相続人が一人暮らし
- 相続開始時3年以内にマイホームに住んだことがない
- 申告期限まで所有
これを適用するとどのようになるか見てみましょう。
90坪の自宅を相続したと仮定して計算してみます。
土地 約90坪 (297平方メートル)
路線価 1平方メートル40万円 (建物は0円として計算)
適用前 → 297平方メートル×40=1億1880万円
適用後 → 1億1880万円が80%減額 → 2376万円
この様に適用を受けると相続税評価額が大きく引き下げられることになります。
こちらの例にあるような1億を超える不動産を持っていたとしても、相続税がかからない評価まで評価を減額することが可能です。
どうですか?使うしかない制度ですよね。
ですが②や③の例で要件を知らずに申告前に売却してしまうとどうでしょう。
1億1880万円しっかり課税されてしまいます。
また課税可能性がある方は遺言書を作る際も注意が必要です。
「誰に相続させるか」で適用が決まる本制度ではその点も考慮に入れ遺言書の作成をする必要がありますね。
そして一番の注意点はこの制度は申告ありきの制度だという事です。
相続税の申告をしないと一切適用はありません。(相続開始から10カ月以内)
またその他にも置かれている状況によって使える制度などは数多くあります。
従って素人判断は非常に危険です。
専門家の支持を仰ぎ適切な相続税対策をしていきましょう。
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