ドクターのための税金対策 ~勤務医の税金対策 (所得税編)~
大阪の相続無料相談所『相続カフェ』による、特別コラム。ドクターからの相続相談をお受けする中で、『生前にもっと節税出来る方法はないのか』とのお声を頂くことが多かったので、ドクターのための税金対策を公開します。
勤務医の税金対策
☞夜勤等のアルバイトで複数の所得がある場合
『すでに年収が1,000万円以上ある場合は、税金上は雑所得が得。』
給与所得控除の改正(平成29年以降分)により、給与所得控除は給与収入1,000万円で上限となります。(控除額は220万円)
つまり、1,000万円以上の部分については、所得税の計算上、控除が1円もありません。 収入金額がそのまま所得金額となり税金が計算されます。
《ケース1:メインの職場で年収1,000万円あり、バイトで300万円の給与収入がある場合》
No |
項 目 | メイン | バイト | 合計 |
1 |
給与収入 | 10,000 | 3,000 | 13,000 |
2 |
給与所得控除 | 2,200 | 0 | 2,200 |
3 |
給与所得 | 7,800 | 3,000 |
10,800 |
4 | 所得税 | 1,158 | 870 |
2,028 |
5 | 住民税 | 780 | 300 |
1,080 |
6 |
税額合計 | 1,938 | 1,170 |
3,108 |
※メインの職場での給与で、給与所得の上限まで達しているため、バイト分の給与所得控除は0円となります。
300万円の収入に対して、増加する税金は117万円になります。
《ケース2:メインの職場で年収1,000万円あり、バイトで300万円の雑所得がある場合》
No | 項 目 | メイン | 項 目 | バイト | 合計 |
1 | 給与収入 | 10,000 | 雑収入 | 3,000 | 13,000 |
2 | 給与所得控除 | 2,200 | 必要経費 | 300 | 2,500 |
3 | 給与所得 | 7,800 | 雑所得 | 2,700 | 10,500 |
4 | 所得税 | 1,158 | 所得税 | 771 | 1,929 |
5 | 住民税 | 780 | 住民税 | 270 | 1,050 |
6 | 税額合計 | 1,938 | 税額合計 | 1,041 | 2,979 |
※雑所得の計算は、収入金額から必要経費を控除しますので、かかった経費の額の分所得税および住民税が安くなります。(経費が30万円の場合)
300万円の収入に対して、増加する税金は104万円になります。
【ケース1と2の税金の差額】
310.8万円 (ケース1) ― 297.9万円 (ケース2) = 12.9万円
・上記所得における給与所得と雑所得の違い
所得税法には、下記のように規定されています。
給与所得:勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいいます。(所得税法第28条)
雑所得:雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。(所得税法第35条)
・実際はどう違うのか
『雇用』の実態があれば給与。無ければ雑所得と区分します。
具体的には、
・指揮命令権の有無 (有なら給与。)
・業務上の責任の所在 (責任の所在が業務の依頼者なら給与。)
・経費等の負担 (経費負担が業務の依頼者なら給与)
などを総合勘案して所得の区分を判断します。
実務的には、仕事を受けるときにドクターと医療機関側と話し合いをして、あらかじめ給与か委託(雑所得)かを決められていることがよく見受けられます。
この場合、給与所得なら源泉徴収票、雑所得であれば支払調書が交付されます。
※なお、最終的な税務判断は、実質判定となりますので注意が必要です。
もっと詳しく知りたいドクターの方は、上記に加えもっと詳しい税金対策を記載した冊子を無料でプレゼント致します。詳しくは、お問い合わせくださいませ。
*1 平成28年4月16日現在の法令に基づいております。
*2 今後の税制改正等には十分ご注意ください。
相続コンテンツ一覧
- 生命保険を使った相続税対策
- 愛人、内縁の妻に財産を相続させたい!やっぱり本妻に財産を取られる?
- 相続についてのお尋ねが届いたら
- 遺言書のトラブルについて
- 相続人が未成年の場合はどうすればいいの?
- 相続時精算課税制度のメリットデメリット
- 相続の際にも使える!不動産売却の際に使える3,000万円控除
- 知っておきたい生前贈与の種類
- 〜知って得する!相続税の仕組み〜【養子にすると節税になる?】
- 遺産分割調停の仕組みと実際について
- 受取人を変えるだけで節税に?!「相続税と生命保険の関係について」
- お墓、仏壇を購入すると節税になる?!
- 知っておきたい新制度 ”法定相続証明情報制度” とは?
- 相続財産の整理ってどうすればいいの?
- これだけは知っておきたい!!相続がおこった時のマメ知識
- 遺言書の活用~メリット・デメリット~
- 隠れたリスクがいっぱい。相続した不動産を空き家にしておく危険性
- 『気付いた時にはもう遅い?相続の準備でやっておくべき事』
- 【音信不通】連絡を取ったことがない相続人がいる場合
- 【遺産の放棄はできる?】相続放棄についてまとめました。
- 【遺産相続】相続財産評価、現預金以外の評価について
- 相続税の申告と納付について
- 相続関連手続きスケジュール
- 相続人と相続分の関係
- 今からできる相続対策!生前贈与の活用法
- 子なし家庭が注意すべき相続の注意点6点
- 子供が結婚、家の面倒見てやるか・・親から子への住宅取得等資金贈与のポイント5つ
- 不動産を相続した時にするべき4つの手続き
- お得な生前贈与をフル活用して節税する
- 相続税申告の税理士報酬はいくらくらいかかる?【相場】
相続の相談なら、相続カフェ
お電話でもお気軽に御相談ください!
06-6940-6319
【予約制】平日 11:00-18:00 / 時間外・土日対応可能
